まず、スワップ取引のスワップとは交換するという意味です。そして
交換するのは金融取引の場合に関しましては、将来受け取りもしく
は支払いする予定の資金となっています。
ちなみに、この資金とは元本のことを指す場合もあれば利息のこと
を指す場合もあるので最初は混乱されるかと思います。
スワップも具体例でみた方が分りやすいかと思います。E銀行は
普通銀行のため、調達している資金は企業や個人の預金のほか、
一部金融市場で発行しているCDなどが中心です。
したがって、期間は3ヶ月、6ヶ月の短期が中心となっています。
このため貸し出しを行う場合も短期貸し出しは市場の短期金利を
反映した短期プライムレートやスプレッド融資が基準となってます。
一方、長期貸出についてですが、この場合は期間は長期ですが、
やはり短期プライムレートが中心です。
しかし、実際に取引されている企業の中には景気回復を見込んで、
将来の金利上昇に備えたいといった思惑から、長期の固定金利借
入を希望するところが出てきます。
もし、こうした企業の希望を受け入れて5年間の固定金利貸出を行
えば、2〜3年後に預金金利が上昇してD銀行の預金と貸出の利
ザヤが縮小したり、さらには逆ザヤにもなりかねません。
そこでこうした取引先企業のニーズに応えるには、5年などの長期
固定金利の資金を調達する必要がございます。しかし、普通銀行
が長期の資金を調達するのはそう簡単ではございません。
こうしたときに効力を発揮するのがスワップです。
ここでは、金利スワップが利用できます。
金利スワップは短期変動の金利と長期固定金利など、異なる金利
の支払いや受取を交換する取引です。E銀行が取引企業の希望
に応えて、長期の固定金利貸出しに応じたと仮定します。
その場合、 E銀行が貸出しから受け取るのは長期固定金利ですが、
預金に対して支払うのは短期の変動金利です。
そこで、E銀行は、長期固定金利の支払いと短期変動金利の受取
という金利スワップを行って対処します。
これにより貸出しから受け取る長期固定金利を金利スワップの支払
いに充当します。一方、短期変動金利を金利スワップから受取り、
預金金利の支払いに充当します。
こうしたことから長期固定金利、短期変動金利ともそれぞれ相殺され、
長期と短期の金利のずれが解消されます。
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