欧米のクレジット市場が崩壊したことによって、デリバティブという言葉だけが独り歩きしてる
状態が依然と続いていますが、多くが金融機関同士で取引する特殊の商品です。
一般の個人投資家が投資できるオプションや先物に関しては、それほど危険性が指摘される
ような事件は今のところ起こってませんし、多くの場合は現物のリスクをヘッジするものです。
デリバティブ関連商品でのヘッジ取引とは、現物市場で現在保有している、もしくは将来保有
するかもしれない金融資産、金融負債の
金利変動リスクを回避するために、行います。
具体的には、先物市場において、現物市場でもっているのとは反対方向のポジションをとる
ことによってリスクを回避する取引です。このとき取られるのは以下の2つです。
●ショートヘッジ=売りヘッジ
●ロングヘッジ=買いヘッジ
ショートヘッジは、金利上昇による損失回避のためになされる取引です。また、ロングヘッジ
は金利下落による損失回避のために行います。
そして、ヘッジ取引が行われた後に、予想された方向に金利が動いた場合は、現物の保有の
損失を先物ポジションが生む利益によってカバーすることができます。
また、その反対に思惑がはずれ、金利が逆方向に動いた場合には、先物ポジションで損失が
発生することとなります。しかし、現物保有の方で利益が出ることによって先物取引での損失
を事実上カバーすることができるわけです。
上述したとおり、デリバティブにおけるヘッジ取引は現物と先物をバランスよく取引することに
よって、損失を下げながら着実に利益をあげる取引手法となっています。
このように文章にすると非常に簡単そうに思えるかもしれませんが、実際にはプロでも想定
したとおりに取引することは難しいとされていますのでそれなに注意が必要です。
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